平成30年 3月 定例会(第1回) 平成30年第1回
宇土市議会定例会会議録 第4号 2月28日(水)午前10時00分開議1.
議事日程 日程第1 質疑・
一般質問 1.
今中真之助議員 1 働き方改革について 2 鳥獣対策について 2.福田慧一議員 1
マイナンバー制度について 2
被災者支援について 3 子どもの貧困対策について 4 第7期
介護保険事業計画について 3.
村田宣雄議員 1
地域農業再生について 2 住みよさ
ランキング評価について 日程第2
常任委員会に付託(議案第1号から議案第32号) 日程第3
常任委員会に付託(請願・陳情)2.本日の会議に付した事件
議事日程のとおり3.出席議員(17人) 1番 今 中 真之助 君 2番 西 田 和 徳 君 3番 田 尻 正 三 君 4番 園 田 茂 君 5番 宮 原 雄 一 君 6番 嶋 本 圭 人 君 7番 柴 田 正 樹 君 8番 平 江 光 輝 君 9番 樫 崎 政 治 君 10番 野 口 修 一 君 12番 藤 井 慶 峰 君 13番 芥 川 幸 子 さん 14番 山 村 保 夫 君 15番 杉 本 信 一 君 16番 村 田 宣 雄 君 17番 浜 口 多美雄 君 18番 福 田 慧 一 君4.欠席議員(1人) 11番 中 口 俊 宏 君5.説明のため出席した者の職・氏名 市長 元 松 茂 樹 君 副市長 池 田 信 夫 君 教育長 太 田 耕 幸 君
総務部長 荒 木 繁 男 君 企画部長 石 田 泉 君
市民環境部長 瀧 口 卓 也 君
健康福祉部長 中 川 玲 子 さん 経済部長 小 山 亨 君 建設部長 野 添 秀 勝 君
教育部長 山 本 和 彦 君
会計管理者兼
首席審議員 首席審議員兼
網田支所長 佐美三 洋 君 大 原 太 君
首席審議員兼
農業委員会事務局長 総務課長 杉 本 裕 治 君 唯 勇 一 君
危機管理課長 江 河 一 郎 君 財政課長 光 井 正 吾 君
企画課長 石 本 尚 志 君
まちづくり推進課長 淵 上 真 行 君
市民保険課長 藤 本 勲 君 税務課長 宮 下 喬 君
福祉課長 加 藤 敬一郎 君
高齢者支援課長 中 熊 照 美 さん
子育て支援課長 岡 田 郁 子 さん
復興支援室長 池 田 和 臣 君
農林水産課長 野 口 泰 正 君
都市整備課長 山 崎 恵 一 君
学校教育課長 小 山 郁 郎 君 指導主事 前 田 至 誠 君6.
議会事務局出席者の職・氏名 事務局長 宮 田 裕 三 君 次長兼庶務係長 湯 野 良 子 さん 議事係長 牧 本 誠 君
議事係参事 志 垣 勲 君 午前10時00分開議
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○議長(
山村保夫君) これから,本日の会議を開きます。 本日,11番,中口俊宏君から欠席届が出ておりますので,御報告いたします。
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△日程第1 質疑・
一般質問
○議長(
山村保夫君) 日程第1,質疑並びに
一般質問を行います。発言通告があっておりますので,順次これを許可します。 1番,
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) おはようございます。政風会の今中でございます。 本議会の
一般質問に際し,通告どおり許可していただきましたこと誠にありがとうございます。以後,質問席より質問いたします。よろしくお願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) それでは,質問いたします。 まず,働き方改革についてでございます。働き方改革は,誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現を目指して,一昨年8月の内閣改造で担当大臣が新設され,昨年3月には,実行計画も作成されました。今国会においても議論されているところではありますが,政府が働き方改革を進める主な理由は,日本の人口及び
労働力人口の減少,長時間労働の監視を改善する必要性,
多様性マネージメントの推進と
生産性向上に対応するためであります。働き方改革は,非正規や
パート労働者の
処遇改善,長時間労働の是正,ワーク・ライフ・バランスの実現,多様な人材の労働市場での活躍など,期待は非常に大きいものがあります。 では,なぜ今働き方改革が必要なのか。それは現在の日本は,次の三つの問題に直面しているからです。一つが長時間労働が慢性化していること,二つ目が
人口減少による働き手の不足,三つ目が
生産性向上へ優秀な人材の確保が必要となっていること。これらを是正するために,長時間労働の根絶と
生産性向上の同時進行をさせ,よりよい社会にしていく。そのためには優秀な人材の確保も必要となってきます。
人口減少については,働き手を60歳までではなく70歳やそれ以上といった方まで増やすことや,女性の社会進出,海外の優秀な人材の確保などをすることにより,いろいろな働き方を見いだしていくことが生産性の向上につながるのではないか。そしてその根幹にあるのが働き方改革による推進というわけでございます。 しかしながら,現在議論されている働き方改革には,各方面より疑問の声も挙がっております。模範となる企業が大企業ばかりで,その下請けとなる中堅・
中小企業の成功事例は少ない。それどころか罰則などが整備されたら,ますます中堅・
中小企業に逆にしわ寄せがいくのではないか。仕事の絶対量が多く,人も足りない,時間だけ短縮されても困る。働き方改革ではなく,働かせ方改革なのではないか,という意見などです。様々な問題を抱えておりますが,今後の我が国の
労働環境において極めて必要なことでございます。真の意味での働き方改革になるよう,活発に議論がなされてほしいというふうに感じます。 さて,視点を本市に移しますと,私はよく夜の
仮設庁舎を目にします。所属している団体なので,夜間隣接しているというか,そこの駐車場の奥にある
中央公民館を使用しますから,
市役所駐車場に車をとめるわけです。22時に閉まるので,それから帰るわけでございますけれど,こちらの
仮設庁舎の中で明かりがついている部署が結構あるんです。仮設だけではなく,現在の
農林水産課や土木課がある建物でもよく明かりがついているのを目にします。中をのぞくわけではございませんから,何人が残業をして,どのような業務をしているかは分からないわけでございますけれども,22時過ぎまで市役所にいるとなると,5時間ほどの残業となります。毎日同じ職員が,同じように残業をしているとは限らないと思いますが,民間会社の若い女性社員が過労を理由に自殺をした事件が頭をよぎるわけでございます。 震災時,その直後は,例外なく職員の皆さんは過酷な労働をせまられましたが,それは別として,
仮設庁舎での業務開始後,1年間の時間外労働の状況,また
部署ごとの状況や個人で多くの時間外労働を費やした上位5名の時間数を月ごとでお示しください。
総務部長,よろしくお願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
総務部長,
荒木繁男君。
◎
総務部長(
荒木繁男君) おはようございます。
今中議員の御質問にお答えいたします。 この
仮設庁舎で業務を開始しました平成28年8月以降の1年間の時間外時勤務時間数ということで,平成28年9月勤務分から平成29年8月勤務分まで1年間の,管理職を除く職員の
災害関係業務を含んだ時間外勤務の合計時間数を申し上げます。 平成28年9月から平成29年3月まで7か月間の総時間数は,
対象職員215名で,約1万7,600時間,一人当たり約82時間となります。1か月の一人当たりの平均は,約12時間です。 個人の月ごとの時間数での上位5名分は,9月で,72時間,69時間,65時間,63時間,57時間。10月で,77時間,73時間,72時間,68時間,63時間。11月で,80時間,79時間,75時間,71時間,62時間。12月で,88時間,71時間,71時間,48時間,43時間。1月で,69時間,69時間,65時間,58時間,55時間。2月で,91時間,62時間,57時間,55時間,55時間。3月で,107時間,66時間,63時間,63時間,62時間。 また平成29年4月から8月まで5か月間の総時間数は,
対象職員213名で,約1万4,800時間,一人当たり約69時間となります。1か月の一人当たりの平均は,約14時間です。 個人の月ごとの時間数での上位5名分は,4月で,105時間,91時間,90時間,90時間,84時間。5月で,98時間,87時間,76時間,73時間,67時間。6月で,86時間,85時間,78時間,73時間,59時間。7月で,64時間,63時間,59時間,56時間,51時間。8月で,57時間,53時間,48時間,46時間,45時間。 以上,1年間の総時間数は約3万2,400時間,一人当たり約151時間となります。1か月の一人当たりの平均は,約13時間です。 次に,一人当たりの時間外勤務の時間数を
部署ごとに比較しますと,平成28年度の9月から3月までは,上位から土木課,
都市整備課,
農林水産課の順となっております。平成29年度の4月から8月までは,上位から
都市整備課,会計課,
学校教育課の順となっております。 平成28年の8月以降ということで,震災直後ほどではありませんが,
震災対応業務は継続している状況の中で,平成28年度は,
復旧工事発注に関係する部署が上位を占めております。平成29年度に入りますと,
災害工事関係の支払い,
出納整理期間とも重なり会計課が多くなっております。
学校教育課は,年度替わりの事務などの影響で上位となっていると分析しております。 現在,多くの部署において,
災害関係業務の業務量は減少しながらも継続しており,通常業務に加えた負担となっている状況であります。 また,今年度から,月に時間外勤務が60時間を超えた職員については,翌月から2か月の間で,基準を超過した分の代休をとるように,所属長から指示をし,ほとんどの職員が代休を取得しております。 以上です。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 年間一人当たりを平均すると,一日当たり36分から42分であるが,年間とおして
部署ごとに繁忙期が違うので,時間外労働が多くなる部署はばらつきがあるということでございました。しかし,この個人が同一人物ではないにしても,個人を月別で見るとその時間の多さは気になるところでございます。国会において議論の最中ではありますけれど,デッドラインである月60時間を超える職員が,単月だと結構出てくるわけでございます。現在は罰則が設けられておりませんが,このままだと罰則を受けることになるかもしれません。今年度から,月に時間外勤務が60時間を超えた職員については,翌月から2か月の間で,基準を超過した分の代休をとるように,所属長から指示し,ほとんどの職員が代休を取得しておりますということでございますが,事務の職員に負担の偏りがないよう御指導をよろしくお願いいたします。 次の質問にいきます。 昨年,
地方自治法が改正され,内部統制が高精度化されております。先ほどから時間外労働について伺いましたが,現状の
勤怠管理について伺います。
総務部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
総務部長,
荒木繁男君。
◎
総務部長(
荒木繁男君) 御質問にお答えいたします。 現在,平日の勤務時間以外と休日勤務の状況は,それぞれ時間
外勤務命令簿,休日
勤務命令簿で把握をしています。 この命令簿は,災害等の緊急の場合を除いて,事前に業務内容,勤務時間を申請し,所属長が命令することを原則としております。 なお,入室,退室時刻の記録は,閉庁時間に
仮設庁舎と一部の建物でしか行っておりません。現在は全職員が対象となっていないため,
勤怠管理の手段については
システム化も含めて今後検討すべき事項と考えております。 以上です。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 支所や出先機関もありますし,
一元管理は難しいと思いますが,ICTも進んでおります。ICTを導入することで
勤怠管理もシンプルに行うことができ,作業効率も上がると考えられます。導入のタイミングとしては,新
市庁舎建設時となるんでしょうけども,検討をよろしくお願いします。 次の質問に移ります。職員の仕事は部署によっては多岐にわたって,中には市民の方の苦情への対応や,震災をはじめとする災害時の対応など,精神的に気持ちが悩む日も多かろうと推察いたします。また,思った仕事ができずにやる気が見いだせず,やむなく退職という選択をする職員もいることかと思います。
有給休暇を取れば,メンタルの専門家に相談すれば全て解決するとは思いませんけれど,気持ちよく働ける環境というのは自治体に限らずどの職場においても大事であると考えます。働き方改革に関連して,現在職員における
有給休暇取得状況とメンタルのケアなどは,どのようになされているかをお尋ねいたします。
総務部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
総務部長,
荒木繁男君。
◎
総務部長(
荒木繁男君) 御質問にお答えいたします。 まず,
有給休暇は年度ではなく暦年を単位として年間20日が付与されます。前年からの繰越しを含めますと,個人差はありますが,最大で年間40日となります。 その
取得日数の過去3か年の状況ですが,総務省へ毎年報告しております
勤務条件調査から抜粋した数値を申し上げます。平成26年が年間8.9日,平成27年が年間7.9日,平成28年が年間5.9日となっております。現状では十分に取得されているとは言えず,さらに平成28年は,
震災対応で
取得日数が減少している状況となっています。 震災以降,特別休暇である夏季休暇と組み合わせての
有給休暇取得促進や,管理職からの声掛けを行うことで,休暇を取得しやすい
雰囲気づくりなどを行ってきましたが,今後も継続した取組が必要と考えております。 次に,職員の
メンタルケアへの取組について申し上げます。地震直後の平成28年6月,そして平成29年5月に
メンタルケアの研修を実施しております。それぞれ係長以上,課長補佐以上を対象としましたが,この研修は,休暇を取得することの重要性や部下とのコミュニケーションを通じて,心身の変化に気付くといったことを学ぶ内容でありました。来年度は全
職員対象の研修も予定しております。 また,昨年11月からは外部委託で電話・メールでの相談窓口の開設を行っております。正職員だけではなく
非常勤職員,その扶養親族からの相談も受け付け,必要と判断されれば専門家による面談の実施,
専門医療機関の紹介なども行う制度となっております。 以上であります。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 昨年度,政府が発表している
有給休暇の取得状況をみますと,7.2日から7.9日ということで,大体平均なのかなというふうに思います。何かが起きる前に対処しとけばよかったなということがないように,状況次第でしょうが職員が休みたいというときは休める
雰囲気づくり,メンタルな部分にいち早く気付ける配慮をお願いしたいと思います。 余談ではありますが,報告・連絡・相談という言葉があります。これは,現
SMBC日興証券のもう4年前に亡くなられましたが,社長だった
山崎富治さんが提唱したことでも知られます。近年では上司が部下に対し,
ホウ・レン・ソウを怠るな,情報共有を重要視しろというしつけの一環の意味合いでこの言葉は使われておりますが,これは
山崎富治氏が言葉に込めた意味とはかけ離れています。本当の意味は,管理職が聞きたくない情報を遠ざけず,積極的に問題解決に取り組み,古株社員じゃなくても,末端社員であっても容易に報告・連絡・相談ができる風通しの良い職場環境をつくろうということらしいです。つまり,部下の
情報共有義務ではなく,
管理職寄りの言葉だということです。正しい
ホウ・レン・ソウを表現するなら,困っていることがないか,何でも教えてくれ,一人で抱え込まずに一緒に解決していこうじゃないかと上司が分け隔てなく部下に声掛けをすべきだということを紹介いたしまして,次の質問に移ります。 全国の
地方自治体で非
正規職員が急増しております。総務省が2016年4月現在で実態調査をしたところ,
都道府県市町村を合わせて64万人に達し,2005年に比べ4割も増えていたということでございます。
退職者補充を非正規で対応してきた結果でございまして,自治体が
官製ワーキングプアを大量生産している格好でございます。
地方自治総合研究所の
上林研究員はこのままでは雇用の劣化は
行政サービスの低下を招きかねないと警鐘を鳴らしております。 昨年5月に
待遇改善を求めて
地方自治法,
地方公務員法が改正されているみたいでございますが,市の状況をお尋ねいたします。また,これまでの
行財政改革で
正規職員は減少,非
正規職員は
増加傾向にあると思いますが,そのバランスは適正といえますでしょうか。
総務部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
総務部長,
荒木繁男君。
◎
総務部長(
荒木繁男君) 御質問にお答えいたします。 まず,市の
非常勤職員数は
増加傾向にあります。これまでに民間委託や
指定管理者制度の導入などの取組で
正規職員の削減を実施してきましたが,地方分権の推進や権限移譲などにより増加してきた業務量や,
住民ニーズ多様化への対応策として
非常勤職員を増員してきた経緯があります。 また,平成28年の震災以降は,被災された方への
支援制度における申請受付など,一時的に増加する業務に多くの
非常勤職員を任用し対応してきました。 その
非常勤職員の
待遇改善については,最近では平成28年度から報酬額を
一般事務職で時給715円から850円へ引き上げております。また,
通勤手当相当分の
費用弁償制度の導入を行っております。通勤距離などの要件はありますが,月額1,600円を支給できる制度となっております。今後,平成32年度からは
地方公務員法の改正による期末手当の導入も予定されており,市でも法令に沿った制度設計を予定しています。 なお,
非常勤職員も
正規職員と同じ
地方公務員ですが,
正規職員と
非常勤職員には賃金,処遇に格差があるという現状を踏まえれば,
非常勤職員の業務は,
正規職員業務を補完するものという基本原則は守るべきと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 公務性を減らし,人件費を抑えるようにこれまで指導してきたのは,確かに国でございます。それなのに今さら非正規を見直せと言われても財源がないわけでございます。そして今回の働き方改革では,正規と非正規の格差是正を謳ってあります。まさに国に振り回されっぱなしだというように思うんですけれども,だからこそ強い自治体,国にできるだけ頼らない自治体をつくらないといけないというように思うわけでございます。まだ働き方改革法案は審議中でありますが,300人近い職員のトップである市長の今後の見解をお尋ねいたします。市長,よろしくお願いいたします。
○議長(
山村保夫君) 市長,元松茂樹君。
◎市長(元松茂樹君) お答えいたします。 今回,議員から御質問いただいております働き方改革ですけれども,職員の心身の健康の向上を目指し,結果として
地方自治体が目指す
住民サービス向上につなげるという点で,大きな意味を持つものであろうと思っております。 先ほどから
総務部長が答弁しておりますとおり,働き方改革を進め,ワーク・ライフ・バランスを実現するためには,長時間勤務の是正,休暇の取得促進といった取組を継続することに加えまして,メンタル不調に周囲が気づき,フォローができるような「
組織づくり」,「
意識づくり」を進めてまいらなければならないと考えております。 また,
非常勤職員につきましても,
正規職員と共に市政を担っていただく労働者として非常に大きな戦力となっております。今後も
処遇改善の検討を継続していくこととしております。 なお,平成29年3月に,第5次
定員適正化計画の見直しも行っております。その理由について少しお話をさせていただきます。熊本地震の発災以来,地震関連の業務が膨大な量に上っております。それに伴って先ほどからありましたように,時間外勤務も非常に増えているということ,これは地震の
対応業務が増えているということが大きく影響をしていると考えております。ただ,実際には
震災対応と直接関係ない部署の時間外も増えております。これもやはり
震災対応に人を割くものですから,本来非常に膨大な量を処理しなければならない部署,例えば定員を今年は1人増やさないと対応できないよというような部署もあるわけですけれども,そういったところに人員が配置できていないということが大きな要因となっていると思っております。そういう意味では,これも地震の影響の一つではないかなと考えているところです。現状では,今年について申しますと,12名の
応援職員を全国の自治体からいただいておりますが,今後は東日本と同様に,この応援は減ってまいります。実際技術系の職員は来年度も相当減ります。そういうことを想定しますと,急増している業務に長期的に対応していくためには,やはり独自に対応することが必要であります。そういった意味での定員の見直しであります。内容は,平成29年度からの2年間で
任期付き採用も含めて11名を増員する。平成31年4月1日再来年度の頭に,現行258名から269名まで増やすというような内容であります。 これらと併せまして組織の見直しも実施しております。さらには昨年5月に実施しました全部署の「
業務量調査」,本年1月に実施しました「
所属長ヒアリング」を踏まえて,来年度の適正な人員配置を目指しているところであります。 これらと併せて全体的なことで少し申しますと,やはりメンタルが非常にですね,やはり体調崩す職員がいます。これは地震の影響もあるんでしょうけれども,やっぱり忙しくていろんな要因があって忙しくて,なかなか構ってあげられない部分もあると思うんですけど,実際,私も市の職員として勤務していて,一番厳しいのは忙しいことよりも
クレームです。いかに
クレームを減らすかというのは非常に重要だと思っております。そういうことで,まずは
スピードアップをしようと。
スピードアップというのは住民の皆さんの要望に対して,できる限り早く対応する,それから内容が分かられない方が結構やっぱり多いものですから,少しでもやさしく対応してあげる。お客様全て何も役所のことは分かってないんだという前提で対応しようということで取り組んでおります。これはイメージアップだと思っています。役所に対するイメージが少しでも上がると,その次何か問題があっても大きな
クレームにならないと思っておりますので,この
クレームを減らすために
スピードアップ,やさしい対応ということを日頃から心掛けているところであります。これも,これから徹底する必要があると思います。 また,先ほど風通しの良い
職場づくりが非常に大事であるというお話がありました。私も全く同感であります。日頃から職員に対しても,とにかく若い人の意見を拾い上げようよというようなことも私も話はしてるんですけども,今後は,もう少し踏み込んだ対応を,言うだけではなく,形として踏み込めるようなものを考えて取り組んでいかなければならないなと感じているところです。 以上です。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 私も,無理難題を職員の方に言うときがありますので,これからは極力控えていきたいと思います。しかしながら少子化が進んでおります。今後生産労働人口が極めて少なくなります。ということは,宇土市役所の役人になりたいという希望者も少なくなっていくということでございます。優秀な人材が確保できないわけでございます。どんな安定した公務員という仕事であっても,
労働環境ややりがいを見いださない職場は選ばれない時代となります。超高齢化社会が進み,未曽有の災害が乱発する昨今において,自治体の役割はますます高まっております。職員の意識改革を含めた
行財政改革を引き続きお願いしまして,次の質問に移ります。 鳥獣対策についてです。もう何度かこの質問をしておりますので,しつこいと思われるかもしれませんが,イノシシは待ってくれません。前回とは若干内容が変わりますので続けて質問いたします。 農家をはじめ,鳥獣被害対策には頭を悩ませております。特にイノシシです。鳥獣被害が多いということは,ある意味それだけ自然が豊かで環境がよいというバロメーターでしょうから,そこに住まう我々人間は本当は幸せなのかもしれません。だがしかし,相手はイノシシです。異常な繁殖や行動範囲の拡大によって,数年前から急激に市民の住環境が脅かされ続けております。そのような中で,これまでも県,そして本市は様々な策を講じてくれました。箱わなの貸し出し,防護柵の補助,捕獲報酬アップなど,適宜対処していただいたことと感じております。しかしながら,このような補助事業というのは費用対効果を検証し,より有意義なものとすべきだというふうに思います。 そこで,今後のために検証すべく,まずは,過去3年間のイノシシによる農業被害額と捕獲数について地域別にお尋ねいたします。また,防護柵など設置したことによる効果とその検証について併せてお尋ねいたします。経済部長,よろしくお願いいたします。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 御質問にお答えいたします。 最初に,平成26年度から平成28年度におけるイノシシによる農業被害額について,市で把握している額を地域別にお答えいたします。なお,農業被害額の算定については,農業共済及び農家からの被害報告を基に算定しており,被害を被った農作物は果樹,水稲,いも類となっております。 平成26年度の被害額は,網田地区で66万円,緑川地区で13万円,轟地区で12万円となっており,合計で91万円となっております。平成27年度は,網田地区で1,151万円,網津地区で39万円,緑川地区で681万円,轟地区で1,417万円となっており,合計で3,288万円となっております。平成28年度は,網田地区で40万円,網津地区で25万円,緑川地区で31万円,轟地区で280万円,花園地区で11万円となっており,合計で387万円となっております。なお,被害額は,市に報告があった数字となっておりますので,実際の被害額はこれ以上あったと想定されます。 次に,平成26年度から平成28年度におけるイノシシの捕獲数を地区別にお答えいたします。 平成26年度は,網田地区で32頭,網津地区で17頭,緑川地区で2頭,轟地区で41頭,花園地区で67頭となっており,合計で159頭となっております。平成27年度は,網田地区で106頭,網津地区で47頭,緑川地区で13頭,轟地区で102頭,花園地区で77頭となっており,合計で345頭となっております。平成28年度は,網田地区で196頭,網津地区で101頭,緑川地区で6頭,轟地区で113頭,花園地区で46頭となっており,合計で462頭となっております。また,今年度12月時点での捕獲数は296頭で,平成28年度と同数程度の捕獲数で推移しております。 続きまして,侵入防止柵を設置したことによる効果及び検証についてお答えいたします。 最初に,イノシシ被害防止を目的として設置された侵入防止柵の効果についてでございます。侵入防止柵の設置につきましては,市単独事業による侵入防止柵(電気柵・ワイヤーメッシュ柵)等の補助や,国の交付金事業である鳥獣被害防止総合対策交付金事業等がございます。これらの事業を活用され,平成27年度から各地区で設置されております。地区ごとの設置件数としましては,まず市単独事業で,平成27年度は,網田地区で12件,花園地区で5件となっており,合計で17件となっております。平成28年度は,網田地区で12件,網津地区で4件,轟地区で5件,花園地区で1件となっており,合計で22件となっております。平成29年度は,現在までに網田地区で5件,網津地区で2件,轟地区で3件,花園地区で1件となっており,合計で11件となっております。次に,国の交付金事業で整備された地区ごとの箇所数としまして,平成27年度は,網田地区で6か所となっております。平成28年度は,網田地区で13か所,網津地区で1か所,緑川地区で6か所となっており,合計で20か所となっております。平成29年度は,網津地区で1か所,轟地区で7か所となっており,合計で8か所となっております。効果としましては,先ほどお答えしました農業被害額からも分かりますように,被害額が多かった平成27年度に対し,侵入防止柵設置後の平成28年度からは被害額が減少しており,侵入防止柵設置による効果が表れているものと考えられます。 次に,侵入防止柵設置後の維持管理の状況に対する検証についてお答えいたします。 侵入防止柵として,主に電気柵とワイヤーメッシュ柵がございますが,両柵とも適切な設置と維持管理が重要でございます。まず,電気柵は設置後,柵線に雑草等が接触している場合,電圧が低下し効果が減少しますので,除草等の管理が必要となります。ワイヤーメッシュ柵につきましては,柵に接して農作物を栽培されている場合,柵沿いが餌場となる可能性がありますので,農作物と柵の位置を離すなど,柵の位置を適正にしなければ「えづけ」をしていることとなるため,伐採等が必要となります。市としましても,各種事業で設置された侵入防止柵の適正な維持管理が図れ,効果が持続できるよう,熊本県やJA等と協力し侵入防止柵設置者への指導助言を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 効果が表れているということで大変うれしく思います。今回の質問の中には入れておりませんでしたが,箱わなの貸し出し,実際猟友会の方に伺いましたがこれも増やすことができれば,より多くのイノシシを捕獲でき,結果,農業被害も減ると思いますので,安くはないものではありますが猟友会の方の要望に応じてこたえていただきますようよろしくお願いいたします。 それから,検証のほうですが,防護柵を設置しても適正に設置管理しないと,逆に「えづけ」になると説明がございました。先日御案内のあった,熊本県むらづくり課が主催する鳥獣被害防止対策の決起集会に私も出席したのですが,「えづけ」をやめることが一番の対策であると講師の方が口すっぱくおっしゃっておられたのが印象に残っております。「えづけ」というと耕作放棄地や放置してあるミカン畑などをこれまでイメージしておったのですが,それだけではなく,せっかく設置した防護柵こそが入念な維持管理を行わないと,逆に「えづけ」になるということでございました。各種補助事業と「えづけ」の防止,それら一体の連携した対策が重要であると感じた次第でございます。 それでは,次の質問に移ります。 県内他市町村の効果的な取組についてでございます。
農林水産課が把握されている本市が参考にすべき取組をされているところはあって,どんな内容でなされているのか教えてください。経済部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 他市町村の効果的な鳥獣対策についてお答えいたします。 平成27年度鳥獣被害対策優良活動表彰農林水産大臣賞を受賞された球磨郡あさぎり町では,中山間地域の集落で集落一丸となってイノシシ被害に対応されております。その内容としましては,専門家による指導を契機として集落の地理的環境に適応し,確実に閉鎖が可能な効果の高い侵入防止柵を設置され,放任果樹の除去,藪・雑木林の刈払いなど,野生鳥獣を寄せ付けない集落づくりの取組を,全住民が自らの農地等で実践されております。これらの取組により,営農意欲も向上し,放任果樹園の復旧や特産加工品の販路拡大にも挑戦され,視察の受入や大学と連携した鳥獣被害対策等の情報発信など,県内外の集落の模範として貢献されております。 次に,山鹿市浦方地区の取組を紹介いたします。浦方地区は三つの取組を実施されております。一つ目の取組では,「みんなで学習」として,先進地を視察し学んだことを地区に持ち帰り,地区で共通認識されております。二つ目の取組では「地区内の環境点検」として,地区内の侵入防止柵を中心に集落の環境を点検され,侵入箇所や被害状況を地図に落とし込まれ,地区の被害状況を共有されております。三つ目の取組では「赤外線カメラを用いた対策」として,鳥獣の動きを把握することで被害対策箇所の効果を確認されております。 その他市町での効果的な取組の共通点は,あさぎり町同様,放置してある果樹園等での「えづけ」や藪などの「すみか」を無くすことであります。先ほど
今中議員が出席された,宇土市民会館において熊本県主催による「えづけSTOP!決起集会」が開催されましたが,「すみかと餌を与えないとイノシシは育たない」そのような取組が自然とイノシシを減らすことになる。捕獲と併せて「えづけ」を行わない取組が最も重要だということでございました。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 今教えていただいた事例も含めて,成功している取組の共通点は,集落が本気になって行動するということにありそうです。以前紹介した熊本農家ハンターという活動もそうですが,行政任せではなく,あくまで,まずはその当事者が本気で行動しないといけないというように思います。私も微力ながらではありますが,イノシシ被害に悩んでいる農家の方たちを自発的に巻き込めるよう尽力していきたいと思います。 さて,一方イノシシ被害を少なくするためには,これまで同様の補助事業にももう暫くは頼らざるを得ない状況だと考えます。来年度の平成30年度はどのように考えておられるのか,今後の補助対策についてお尋ねいたします。経済部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 御質問にお答えいたします。 現状の補助政策としまして,平成29年第4回定例会の野口議員への答弁と一部重複いたしますので,御了解いただきたいと思います。 まず,市単独事業による侵入防止柵,電気柵・ワイヤーメッシュ柵等の補助がございます。これは侵入防止柵等の設置に係る資材購入費の2分の1以内,上限額5万円を補助するもので,今年度は11件の申請があり,設置面積は約2.4ヘクタールとなっております。平成30年度も継続し,この侵入防止柵等の補助を行いたいと考えております。 次に,国の交付金事業として鳥獣被害防止総合対策交付金事業がございます。この事業は,侵入防止柵等の被害防止施設等の設置に対し,資材相当分を助成するものでございまして,3戸以上の農家で共同体をつくり整備するものでございます。平成28年度より実施している事業であり,今年度は8か所の整備で,整備面積約11.5ヘクタールとなっております。平成30年度も継続して事業要望を行っているところでございます。また,箱わな整備につきましても,安全で効果的に個体数を減少させる目的で,平成30年度は7基の購入を予定しております。また,狩猟免許取得に対する補助につきましても来年度も引き続き行う予定でございます。 次に,有害鳥獣捕獲については,地域住民等と連携し被害発生の阻止及び効果的な捕獲を実施するために,熊本県猟友会宇土支部と業務委託契約を締結し,効果的な捕獲体制を図っております。また,平成27年12月より猟友会との委託業務の中に捕獲報奨金を追加したことで,捕獲意欲が高まり捕獲頭数も急増し効果が顕著に表れており,来年度も引き続き行いたいと考えております。 最後に,今後の方針としましては,農作物等の被害を未然に防止するためには,猟友会等による有害鳥獣捕獲活動に併せ,鳥獣被害対策についての正しい知識を学習し,鳥獣が近寄りにくい,住みにくい集落や田畑に変えていくため,農業者や地域住民の意識啓発を図る必要があると考えられます。今後も引き続き,熊本県猟友会及び地域住民等と連携し,被害を事前に察知するとともに,被害発生の阻止及び効果的な捕獲に努めていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 財政が逼迫している中,継続的な支援ありがとうございます。答弁の後半の部分に意識啓発を図る必要があるとおっしゃいました。自分たちの村は自分たちで守るという意識を醸成していただくべく,共に被害発生の阻止及び効果的な捕獲に努めてまいりましょう。 さて,最後の質問です。 昨年の第1回定例会でも同様の質問をしています。ジビエについてです。鳥獣対策を語るときは,私の中ではどうしてもセットとなってしまいます。捕獲者はイノシシを捕獲したのちに,解体処理され,自己消費や埋設をされておりますが,活性化に使わない手はないというふうに考えるからです。時々,解体された方から肉を頂きますが,それはそれはとてもおいしいです。余り大きい声では言えないのですが,宇土半島の果実を食べていることと処理されている方の腕がよいことが条件らしいです。ただ,私も幾つか視察を重ねる中で,新規でその処理施設を建てて,維持させていくのは難しいということであることは認識しております。しかし,既存の建物を生かしたり,それこそ関係者が当事者意識を持ち協力すれば,その立ちはだかる財政面の壁は越えることができるのかなというふうに思います。 今回私がここまで言うのは,実はその夢のような車が登場したからでございます。お配りしています資料のジビエカーというものです。実証実験を経て高知県梼原町ではじめて導入されておりますが,最大の特徴は,車内で一次処理を衛生的に行うことができる点です。捕獲された地点へ近接してすばやい処理をすることが可能なため,より良質な食肉利用が可能になると期待されております。また,運搬の手間,時間を軽減できるために廃棄率を低減,利用率の向上にもつながるというふうにされております。価格は現在2,175万円と高額ではありますが,そのうち1,000万円は,厚労省の助成金を活用されております。この車はあくまでも一次処理ではありますが,網田では宇土マリーナ,宇土街部においては,桜屋さんや松本肉舗さんで二次処理と販売が可能かと思われます。 これらの活用を踏まえたジビエとしての食肉利用について,見解をお尋ねいたします。経済部長お願いいたします。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) ジビエカーの導入やジビエ処理施設の設置についてお答えいたします。 ジビエカーの導入につきましては,日本ジビエ振興協会による実証試験が,長野,鳥取,愛知,福岡,宮崎,大分県で行われているとのことでございます。また,先ほど議員からの資料提供もございましたが,全国で初めてジビエカーを導入した高知県梼原町の状況を確認いたしました。ジビエカーは梼原町が購入を行い,住民自治組織「集落活動センターゆすはら西」に無償貸与し,実際の運用はその構成員で行う予定とのことでございました。「集落活動センターゆすはら西」とは,ジビエの加工販売,その他,地域でとれる農産物の生産,出荷等の取組を行う組織でございます。ジビエカーの運用は平成30年4月からの予定で,処理場より20キロほど離れた集落に週3日常駐し,連絡があれば引き取りにいくことを想定しているとのことであります。ジビエカーを導入する場合は,猟友会を含めた地域住民等の組織の協力が不可欠であると思われます。 また,平成29年第1回定例会におきまして,食肉利用に伴う処理施設の建設についてお答えしておりますが,県内には県が認定した14か所のジビエ処理施設がございます。そのほとんどが自治体からの財政援助なくして,経営が成り立たない状況であります。一部には財政援助を打ち切られ,指定管理者が撤退し,休止している処理場もあるそうでございます。 現在,本市において捕獲したイノシシの処理につきましては,一部は狩猟者自らが解体し自家消費しておられます。そのほかは土中に埋設しておられ,現時点でジビエカー導入及び処理場の建設予定はございません。 しかしながら,依然としてイノシシの被害は多く,住宅地における目撃情報も多数あることから,市としましては,先ほど答弁いたしました「えづけ」や「すみか」を無くす啓発を行いながら,箱わなを増やすなど効果的な捕獲に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(
山村保夫君)
今中真之助君。
◆1番(
今中真之助君) 御答弁ありがとうございました。 いつしか理解を得て,様々な条件を突破して,ジビエカー若しくはそれに代わるものが導入され,地元シシ肉として提供でき,新たな活性化の資源となって結果的に地元の農家が守られることを夢見まして,今回の私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○議長(
山村保夫君) 18番,福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 日本共産党の福田です。今回は
マイナンバー制度についてなど4点について質問をいたします。担当部長はじめ市長の誠意ある答弁をお願いいたしまして,質問席より質問いたします。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) まず,
マイナンバー制度について質問いたします。国民一人一人に12桁の番号を付して,社会保障や税,災害などの個人情報を集約,さらに銀行や郵便局の預金,健康診断や病院での治療状況などの個人情報を一括して国が管理をし,税の徴収強化や社会保障の抑制に利用するもので,管理し利用する国や自治体にとっては大変便利で効率的ではありますが,国民にとっては常に個人情報の流出やなりすましによる悪用など,リスクがつきまといほとんど利点はありません。そのため国民の理解も進まず,カードの交付も少ないのではないかと思います。 この制度が始まって2年が経ちましたが,カードの交付,全体に対する割合,昨年3月からコンビニでも証明書などが取れるようになりましたが,コンビニでの交付数と窓口での交付数,その割合はどうなっているのか。今後の市の対応,取組についても,
市民環境部長の答弁をお願いたします。
○議長(
山村保夫君)
市民環境部長,瀧口卓也君。
◎
市民環境部長(瀧口卓也君) マイナンバーカードの交付状況と,コンビニ交付と窓口交付の実績並びに今後の対策についてお答えをいたします。 まず,マイナンバーカードの交付状況につきましては,平成30年1月末現在の本市の人口3万7,598人に対し,交付枚数は3,242枚でございまして,交付割合は8.62%となっております。 なお,同時期における熊本県全体の交付割合は9.66%,また,総務省が公表している12月1日現在のデータでは,全国の交付割合は10.2%であることから,本市の交付割合は低迷している状況でございます。 次に,コンビニ交付と窓口交付の実績についてお答えをいたします。 住民票や戸籍等の各種証明書のコンビニ交付につきましては,平成29年3月から実施しておりまして,平成30年1月末までの実績は295枚,同期間における窓口交付の実績は3万8,478枚でございまして,コンビニ交付と窓口交付の総数に対するコンビニ交付発行割合は0.76%となっており,マイナンバーカード交付割合と同様に低迷している状況でございます。 今後の対策としましては,現在実施しています広報紙やホームページによる周知・啓発回数を増やすことや,毎月1回の休日交付の継続実施,交付の際に提供する資料の見直しなど,様々な取組を強化し,マイナンバーカードの交付とコンビニ交付サービスの普及促進に努めていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) カード発行は1割にも達しておりませんし,この1年間ほとんど進んでおりません。コンビニの利用も僅かであります。これはカードが無くても日常生活には何一つ支障はなく,カードの必要性を感じないからであります。システム改修費や年間の運営費も多額の費用が掛かると言われておりますし,費用対効果の面からも問題があり,廃止する以外ないと考えております。 次に,特別徴収税額通知書に対する番号記載の中止について質問をいたします。事務所で働く労働者の住民税の徴収は,事業主が特別徴収者として徴収することになっております。毎年5月に税額通知書を市から事業主に送られますが,この税額決定通知書に総務省は昨年個人番号を記載して送付するよう自治体に通達を出しました。これに対しまして,誤発送等により個人情報の流出など,心配であり番号記載はすべきでないとの声が事業所や自治体からも多く出されましたが,これを無視して総務省は強行いたしました。しかし,心配されたとおり,全国で9月までの半年間に273件の個人情報が漏えいし,そのうち152件が誤送付等の原因によると言われております。総務省の責任が問われるわけであります。総務省はこれを受けて,これまでの方針を転換し,12月に全国の自治体に通達を出しました。各自治体が当面,番号記載をしなくても税額通知書を送付する,このような方針を出したわけであります。 当然,市もこの通達に沿って記載をしないで送付すべきと思いますが,
市民環境部長の答弁をお願いたします。
○議長(
山村保夫君)
市民環境部長,瀧口卓也君。
◎
市民環境部長(瀧口卓也君) 御質問にお答えします。 給与所得に係る特別徴収税額通知につきましては,行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第19条第1号の規定により,地方税法及び地方税法施行規則に定められた特別徴収税額通知の様式が改正されたことに伴い,平成29年度分の個人住民税から,従業員のマイナンバーを記載し,事業所に通知することが義務付けられました。 それに伴い,本市におきましては,平成29年度分の特別徴収税額通知に従業員のマイナンバーを記載し,誤送付等によるマイナンバーの漏えいを防ぐため,簡易書留郵便にて事業所に送付いたしております。 議員御指摘のように,特別徴収税額通知を発送する際に,全国的に多くの市町村におきまして,誤送付等が発生した事例が見受けられておりますが,本市におきましては,そのような事例は発生しておりません。 そのような中,平成29年12月22日に閣議決定をされました「平成30年度税制改正の大綱」におきまして,平成30年度分の個人住民税から,特別徴収税額通知へのマイナンバー記載につきましては見直しが行われております。 改正の内容につきましては,特別徴収税額等を電子データなどで事業所に提供する場合は,引き続きマイナンバーの記載が必要になりますが,書面により特別徴収税額通知を事業所に送付する場合につきましては,当面,マイナンバーの記載を行わないこととなります。 今回の制度見直しを受けまして,本市におきましては,平成30年度分の特別徴収税額通知から,書面により通知する場合においては,マイナンバーを記載しないこととし,従前の郵送方法である普通郵便による送付を予定しております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) よろしくお願いをしておきます。 次に,一部損壊世帯に対する支援について質問をいたします。 熊本地震から1年10か月が経過をし,被災した建物の解体が終わり市の中心部に空き地が広がり,風景が大きく変わったところもあります。一部には住宅や店舗の建設も進んでおりますが,個人の住宅や生活,生業の本格的な再建はこれからでありますし,引き続き被災者に寄り添った支援が必要だと思うわけであります。半壊以上の世帯には公的な支援がありますが,一部損壊世帯には国の公的支援はありません。一部損壊だからといって被害が少ないかというとそうではなく,例えば瓦の修理だけでも400万円,500万円掛かった方々もおられるわけであります。そのため,国に公的支援を求める声が大きく広がっているわけであります。引き続き公的な
支援制度を国につくらせる取組が必要だとこのように考えております。一部損壊世帯にも支援をとの声が広がる中,県は100万円以上の修理費が掛かった世帯に対し,10万円の義援金の配分を行うことを決め,市も50万円以上の世帯に3万円,30万円以上50万円未満の世帯に対しては2万円の義援金の配分を決定をいたしました。しかし,工事業者の確保が困難で修理の遅れている世帯も多く,1年延長されました。申請も遅れているのではないかと思います。 現在の申請受付状況と支援金の増額も含め,今後の市の取組について,
健康福祉部長に答弁をお願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) 初めに,一部損壊世帯への支援状況についてお答えいたします。 住家の一部損壊世帯に対する支援につきましては,平成29年第1回定例会における福田議員への答弁のとおり,修理費に100万円以上要した世帯に対しては,県に寄せられました義援金から10万円の支給としており,また修理費30万円以上から50万円未満を要した世帯に対しては2万円を,50万円以上要した世帯には3万円を,市に直接寄せられた義援金から支給するとして実施してまいりました。 本市の一部損壊の認定を受けている世帯は4,540件ございまして,当初は,2千件程度が申請されると見込んでおりましたが,現在申請をされている世帯は,修理費100万円以上で申請件数が539件,50万円以上が159件,30万円以上が80件,合計の778件になっており全体の17%ほどと予想を大きく下回っていることから,先月行われました宇土市義援金配分委員会において配分基準の見直しを行っております。 今回見直しを行ったのは,市に直接寄せられた義援金から,修理費100万円以上要した世帯へ2万円を追加し,県の義援金と合わせて12万円の配分とし,修理費30万円以上から50万円未満を要した世帯に対しては,2万円を追加し4万円の配分,修理費50万円以上要した世帯に対しては,2万円を追加し5万円の配分を行うことを決定しており,現在新たな配分基準での申請受付を行っております。 既に申請されている世帯に対しては,遡って支給することとしており,追加配分を3月に支給する予定で,対象世帯に対してはその旨の通知を送付いたします。 また,新たに追加された制度として,これまで支援の対象とされてこなかった一部損壊世帯でやむを得ない事由により解体し,なおかつ,住宅を新築又は物件を購入された世帯に対しては,県義援金の修理費100万円以上の区分と同等と見なしまして,12万円を配分することを決定しております。 なお,市独自の義援金として,死亡者に5万円,重傷者,全壊世帯及び大規模半壊を含む半壊世帯にそれぞれ2万円の追加配分を行うことにしており,今後,広報うととホームページで周知を行ってまいります。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 支援金の増額と対象を広げるということで,大変喜ばれると思いますし,全ての対象者に届くようによろしくお願いをしておきます。 次に,仮設住宅・みなし仮設住宅入居者に対する支援について質問をいたします。県は,11月に仮設住宅・みなし仮設住宅に入居されている全世帯に対して,住まいの再建に関する意向調査を行い,その結果を1月18日に発表しております。その調査結果については,先日
健康福祉部長が答弁されておられますし,重複しますので答弁は求めませんが,高齢者のひとり暮らし,一人だけの生活をされている,こういう世帯に対して,引き続き孤立防止の支援を続けていただきたい。このことはお願いをしておきます。 そこで,建設部長にお聞きいたしますが,災害公営住宅や市営住宅に入居を希望されている方が60世帯おられるとのことであります。災害公営住宅は既に建設が始まり,25戸の建設が予定されております。これでは不足すると思いますし,しかし不足については市営住宅に入居予定されていると思いますが,市営住宅は建設が抑制され,その上古い住宅は解体,全体の戸数は減っております。そのため,常時入居を希望される方も多いわけであります。 被災者以外の入居希望者も大変困っておると思いますし,こうした方々の対策も含めて市の取組についてお聞きいたします。建設部長お願いします。
○議長(
山村保夫君) 建設部長,野添秀勝君。
◎建設部長(野添秀勝君) お答えいたします。 先ほど議員も申されましたように,先日,
健康福祉部長から答弁がありました。その意向調査では,60世帯の方々が災害公営住宅や既存の市営住宅を希望されており,その対策として境目団地内に25戸の災害公営住宅を建設中でございます。これとは別に,国からの譲渡予定である木造仮設住宅の26戸と既存の公営住宅の空き部屋16戸を合わせた計67戸について入居できる体制を進めており,この数字からみますと,現在の仮設及びみなし仮設入居者の住居については,確保できる見込みでございます。 また,公営住宅については,現在被災者の方々を優先に入居を進めているところでございますが,被災者以外の公営住宅への入居希望者に対しましては,一時入居を中止している状況でございます。現在入居待ちされている方々は75世帯あり,最近の傾向としまして,高齢者の入居申し込みが多く,申込者の約半数の世帯が1階や2階の低層階への入居を希望されており,なかなか希望する公営住宅に入居することができない状態が続いているのが現状でございます。議員より「災害公営住宅の数は十分か。」という御指摘がございましたが,今後の将来人口推計により,2033年までには公営住宅をあと40戸削減する計画も策定しており,公営住宅は縮小に向かう傾向でございます。そのため,前回,議員からも御提案がございました,民間アパートや空家を活用した「住宅セーフティネット制度」の体制を整備し,利用促進を図る対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 市営住宅に入居を希望しながら,待機されている方が75世帯あるということでありますが,これは大変問題だと思うわけであります。所得の少ない高齢者の方々が多いというわけであります。新しくつくられた制度であります「住宅セーフティネット制度」を利用するということでありますが,特別な体制をとって早急に入居ができるように対策をお願いをしておきます。 次に,子どもの貧困対策について質問をいたします。 子どもの貧困対策を進めるには生活実態調査を行い,対象者がどのくらいおられるのか,どのような支援が必要なのか,こうした調査をしなければなりません。この実態調査を県が昨年の6月から7月にかけて,熊本市を除く県内44自治体の小学5年生の子ども及び保護者,中学2年生の子ども及び保護者3万6,350名に対し調査を行い,回答率は75.6%となっております。保護者の回答では,「経済的理由で食費を切り詰めた。」14.8%,「必要な服や靴を買うことができなかった。」13.3%,「小遣いを渡せなかった。」9.0%などとなっております。 市も同じような調査を行っていると思いますが,調査の結果はどうなっているのか,この点について,
健康福祉部長の答弁をお願いいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) 子どもの生活実態調査についてお答えします。 先ほど議員からも御紹介がありましたが,この調査は,熊本県が主体となり県内の熊本市を除く全市町村で実施されたもので,経済的な困窮度に加えまして,生活環境や生活習慣,希望の進路等などを盛り込んだ内容となっています。調査対象は,市町村立の小学5年生の児童と中学2年生の生徒,及びそれぞれの保護者で,本市におきましても市内小中学校の御協力のもと,昨年6月から7月にかけて調査票の配布と回収を行い,回収率は68.6%でございました。回収後は県で集計・分析が行われ,その中間結果は11月に速報として公表されました。 先ほど議員からも一部御紹介ありましたけれども,速報の一部を申し上げますと,県全体の回収率は75%で,世帯全員の合計所得200万円未満の世帯が約10%あり,500万円未満の世帯が約5割を占めるといった結果が出ております。最終調査結果の公表は今年度末になる予定とのことですので,県の分析結果と併せて,宇土市のデータ分析を行いまして,それらの結果を基に実効性のある支援策を検討してまいります。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 今回の生活実態調査は,県が主体で行い,調査票は県が回収し分析を行い,3月に最終結果を発表するということであります。当然その結果を基に市としても全体の計画を策定されると思います。しかし,市では既に教育部門と福祉部門で連絡会をつくり,教育や生活,就業,経済的支援など四つの分野で具体的な取組がなされております。しかし,今年の10月から,例えば生活保護基準が引き下がることになってますが,これは貧困対策に明らかに逆行するものであると思います。この生活保護基準の引き下げは多くの分野に影響を与えるというように思いますが,できるだけ影響は少なくなるような対策も併せてとっていただきたいと思います。 今言いました四つの分野に対する具体的な取組について,
教育部長そして
健康福祉部長に市の取組についてお聞きいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) 子どもの貧困対策における福祉部門での支援状況についてお答えいたします。 福祉課においては,平成27年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」に基づき,生活に困窮している方に対し,生活保護受給に至る前の段階で,自立に向けた支援を行っております。 親への支援としては,就労が困難な方に対する「就労準備支援事業」,家計の立て直しが必要な方に対する「家計相談支援事業」,離職により住居を失ったり,失う恐れが高い方に対する「住居確保給付金の支給」がございます。それぞれの課題に寄り添いながら,技術的な支援や経済的な支援を行っております。 また,子どもに対する支援としては,「子どもの学習支援事業」がございます。これは,「貧困の連鎖」を防止するため,単に勉強を教えるだけでなく,ときに過酷な家庭環境に置かれている子どもの居場所を確保し,子どもが真に自立するための支援として位置づけています。ちなみに,この事業の利用人数は,平成27年度が7人,平成28年度が4人,平成29年度が1月末現在で9人となっています。 また,子育て支援課では,各種手当や子ども医療費の助成,所得に応じた保育料等の減免といった経済的支援,ひとり親家庭に対しては,高等学校卒業認定試験合格支援事業や高等職業訓練促進事業をはじめとする就労支援などを行っております。 以上,主な取組を申し上げましたが,庁内の各部署で行っている子どもや生活困窮に関わる施策や
支援制度につきましては,昨年3月の市議会
一般質問の際に御報告しました「宇土市子どもの貧困対策庁内連絡会」において取りまとめを行っております。支援の種別ごとに教育,生活,就労,経済的支援に分類した一覧を作成し,関係者間で情報を共有しております。支援にあたる職員が,多岐にわたる情報を持つことで,きめ細やかな対応ができる体制づくりを目指しております。 さらに今後は,先ほどの繰り返しになりますが,県が実施した「子どもの生活実態調査」の結果を検証した上で,現行の取組の見直しなども含め,効果的な支援策を検討してまいります。 また,生活保護制度については,来年10月からの見直しが決定されており,具体案は今年度末に提示される予定ですので,その内容についても精査しながら,貧困対策に取り組んでいきたいと考えております。 以上です。
○議長(
山村保夫君)
教育部長,山本和彦君。
◎
教育部長(山本和彦君) 教育委員会が現在実施しています子どもの貧困対策に関する事業についてお答えします。 子どもの貧困対策の推進に関する法律第8条の規定に基づき,平成26年8月に制定された「子供の貧困対策大綱」では,子どもの貧困対策として教育の機会均等を保障するための教育費負担の軽減や学校教育による学力保障などが掲げられています。 教育委員会では,教育費負担の軽減策として,就学援助費の支給,特別支援教育就学奨励費の支給,多子世帯への給食費の助成,副教材費の購入助成,私立幼稚園就園奨励費補助金の支給,大学・専門学校等入学準備祝金の支給を行っています。 また,学校教育による学力保障策として,基礎学力の定着を図るため,児童・生徒一人一人の実態に応じたきめ細やかな指導ができるよう,市独自で
非常勤職員を任用し,小・中学校に配置しています。 今後は,「熊本県子どもの生活実態調査」の分析結果を踏まえて,子どもの貧困対策に効果的な支援策を福祉部門と連携して検討してまいります。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 子どもの貧困対策は,自治体,市の取組に掛かっておると思いますので,よろしくお願いをいたします。 次に,介護保険の第7期事業計画について質問をいたします。 2000年に介護保険制度がスタートして18年,3月には第6期の事業計画が終了し,4月からは第7期の事業計画に移行いたします。第7期事業計画の3年間では,第6期に比べ高齢者人口と高齢者率,介護認定数と認定率はどう推移するのか,この点について,まず
健康福祉部長にお聞きいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) お答えいたします。 第7期
介護保険事業計画の推計を行う基準としております,平成29年9月末現在の数値で申しますと,高齢者数は1万646人です。人口は3万7,439人で高齢化率は28.4%となっております。 また,介護認定を受けておられる方の人数は2,001人となっており,高齢者数に占める介護認定者の割合である認定率は18.8%です。 次に,第7期
介護保険事業計画の最終年度である平成32年度の見込み値ですが,高齢者数は1万987人,人口は3万7,057人で高齢化率は29.6%,介護認定者数は2,105人で認定率は19.2%と見込んでおります。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 高齢化が進めば介護を必要とする人も増え,認定者も当然増えるわけであります。それに対応した第7期の事業計画を作らなければならないと思うわけであります。介護保険制度がつくられたときには,高齢化が進み介護を必要とする人が増え,個人や家族では支えることができない,社会全体で支える必要があるということで介護保険制度がつくられました。3年ごとに制度や保険料の見直し,事業計画がつくられてきましたが,制度の継続性を確保する必要があるという名のもとに,サービスの切り下げと保険料や利用料金の値上げを行ってまいりました。特に第6期事業計画では介護報酬の切り下げや要支援1,2が介護保険の対象から外され,市町村の総合事業に移され,特別養護老人ホームの入所を原則要介護3以上になり,要介護1,2が排除されました。保険料の値上げや一定以上の所得のある人は利用料金が2割負担にもなりました。 第7期の
介護保険事業計画では,この給付と負担の見直しはどのようになるのか,
健康福祉部長にお聞きをいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) お答えいたします。 介護保険法は,事業計画を策定する3年ごとに改正されています。2025年には団塊の世代が75歳以上となり,介護や医療のニーズが高まることが予想されるため,増え続ける社会保障費を抑える観点で改正が検討されています。 まず,介護給付を受けるに当たっての自己負担割合は,第6期
介護保険事業計画策定時に,一定以上の所得のある方は2割に引き上げられましたが,第7期の始まる平成30年度からは,2割負担の人のうち特に所得の高い方については3割となります。それに伴い,事業所に支払った自己負担分が高額になった際に払い戻される,高額介護サービス費の上限も引き上げられます。 介護保険料につきましては,介護認定者数の増加による介護給付費や地域支援事業費の伸びや,介護報酬の増額改定及び介護職員の賃金を上げるという制度改正があることを考慮しまして,今回の定例会において,第6期よりも保険料基準額を7%程度増額する条例案を提出しております。 このように,負担は増大しておりますが,一方で負担を軽減する改正もあっております。介護保険料などの段階を判定する住民税課税状況で,災害や土地収用等による土地の売却益に係る特別控除額が合計所得金額から控除されることとなり,本人の責めに帰さない理由により発生した所得で,自己負担が増大することがないような改正がなされています。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 訪問介護での生活支援の報酬が切り下げられる,こういうことも予定されております。そして特に第7期事業計画で国が最も力を入れているのは,自立支援・重度化防止対策であります。要支援1,2や要介護1,2の比較的軽度といわれる認定者に対し,市町村や介護事業所ごとに6か月後ごとの介護の改善計画,介護からの卒業計画をつくらせ,成果を上げた市町村や事業所には,交付金や介護報酬を引き上げることになっております。こうなれば,市町村や事業所ごとの介護からの卒業や認定数の減少が競われ,介護を必要とする人が介護保険から排除される,そのようなおそれがあり,こうした排除は絶対にやってはならないと思うわけであります。既に第6期の事業計画の中で,自立支援・重度化防止対策を先取りして実施している自治体もあるわけでありますが,その中で三重県のA市では,要支援1,2が前年に比べ30%以上減少しております。また大阪府のB市でも,前年に比べ要支援1が30.4%,要支援2が27.05%減少しており,このため介護給付費が大幅に減っております。しかし,こうした取組は絶対に許してはならないと思うわけであります。市の対策でも,介護を必要とする人を介護保険から卒業させる,排除させるようなことがあってはならないと思うわけであります。 市の取組について
健康福祉部長にお聞きをいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) お答えいたします。 高齢者の自立支援と重度化防止は平成30年度の介護報酬改定の大きな柱となっており,サービス事業所外部のリハビリ職や医師と連携することで状態の改善につながった場合の加算を通所介護に導入し,訪問・通所リハビリでも拡充することとされております。 平成30年度の介護報酬改定はプラス改定ですが,この自立支援による加算の充実が一つの要因でございます。 利用者の心身の状態を日常生活動作の評価において測定し,6か月後に報告した結果の上位85%の合計が維持か改善ならば,翌年度に加算がとれる仕組みになっています。なお,事業所があえて改善が望める利用者だけを選別することがないよう,総勢20人以上で要介護3以上の利用者を15%以上含むことなどを要件化します。 訪問・通所リハビリの場合は,より状態改善につながるよう医師の詳細な指示に基づくサービスの提供を加算の要件とし,自立支援に手厚い加算が付けられております。 訪問介護につきましては,御指摘のとおり,生活援助の報酬は引き下げられますが,身体介護については引き上げとなっており,介護福祉士等の有資格者は自立支援に向けた身体介護に重点を置き,生活援助は人材確保の必要性から,所定の研修を修了した者が担うこととされました。 市としましては,訪問・通所介護サービス事業所に対し,本人の身体状況等の改善が見られ住み慣れた地域で生活を送ることができるようなサービスの提供ができるよう,指導を行ってまいります。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 自立支援・重度化防止の取組では,事業者間の公平を保つため,要介護3以上の利用者を20名以上の施設では15%以上を含めて調整する,こういうことでありますが,これは問題だと思います。介護を受ける人とお世話をするヘルパーさんとの信頼関係が大変大事であると思いますし,信頼関係を築く上では一定の時間が掛かると思います。ところが,15%の調整で翌月から別の事業所からヘルパーさんが来れば,なぜ急に変わったのかとこうした疑問も生まれ,不信も広がるんではないかと思いますし,逆に体調を崩すという結果も出る方もおられるのではないかと思うわけであります。こうした調整は慎重にすべきと思いますのでよろしくお願いをいたします。また自立支援が事業所間の競争で介護からの卒業や認定を減らすことにつながらないよう,特にお願いをしておきます。 次に,介護職員の
待遇改善について質問をいたします。 第6期事業計画の中でも,介護職員の賃金引き上げの財政支援がありましたが,それでもほかの産業労働者との比較では,大きな開きがあります。ほかの産業などの
待遇改善をしなければ職員の確保が厳しくなり,介護サービスが十分提供できない事業所も出てくるのではないかと思うわけであります。既に特別養護老人ホームでは,入所の枠がありながら入所希望者も多くおられるのに,職員が不足をし受け入れができない。こういう施設も出ているわけであります。 市の対策を
健康福祉部長にお聞きいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) お答えいたします。 介護職員の賃金改善につきましては,何度か改正があっておりますが,平成29年度の改正では,これまでの仕組みは維持しつつ,事業者による昇給と結び付いた形でのキャリアアップの仕組みの構築について,手厚く評価を行うための区分が新設され,改正前よりも加算率が高くなり,法的要件を満たして加算がとれている場合は,賃金は上がっていると考えられます。 宇土市では,事業所の実地指導の際に,
処遇改善加算が賃金に反映されているかについて,事業所に根拠資料の提出を求めて確認をしております。その中で,極端に賃金が安い場合や,昇給の仕組みが明確化されていない事業所については指導を行っております。 さらに,平成31年10月の消費税率10%引き上げ時には,勤続年数10年以上の介護福祉士について月額約8万円相当の
処遇改善を行うこととされています。具体的な要件等はまだ示されておりませんが,介護人材の
処遇改善につながるものと推測されます。 このように,介護職員の確保のために,公的な支援が検討されていますが,事業所においても,魅力ある
職場づくりや業界自らのイメージアップへ取り組み,複数の事業所が共同で採用や研修を行うなどの事業所の連携強化といった自助努力も必要であると思われます。市としては,
処遇改善の指導と併せまして,事業所の自助努力についても啓発を考えていきたいと考えております。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 消費税の10%引き上げを前提にした改善には問題があり,税率引き上げにかかわらず,引き上げることが必要だと思うわけであります。勤続年数10年以上,介護福祉士を対象にしているとのことですが,職員全体からすれば,対象者は極めて少ないんではないかと思います。条件を付けないで職員全体の引き上げをするよう国に強く要望していただくことが大事ではないかと思いますし,よろしくお願いしておきます。 次に,特別養護老人ホームの待機者はどのくらいおられるのかの点についてお聞きいたします。 第5期の事業計画では,定員29名の小規模の特養ホームが松山と網田に建設されました。第6期では建設せず,第7期の事業計画でも予定されておりません。第6期事業計画の中で入所の条件が原則要介護3以上となりましたが,それでも待機者は多いのではないかと思います。 市の対策を
健康福祉部長にお聞きいたします。
○議長(
山村保夫君)
健康福祉部長,中川玲子さん。
◎
健康福祉部長(中川玲子さん) お答えいたします。 法改正により,特別養護老人ホームの対象者は原則として要介護3以上の方となりました。 現在,市内3施設の特別養護老人ホームの入所待機者数は重複申し込みもありますので,延べで117名であり,うち要介護3以上の方は76名おられます。待機者につきましては,事業所において現状を把握することにしておりますが,御自宅におられる方は14名で,その他の方は医療機関への長期入院や有料老人ホームの入所など,何らかの支援を受けておられます。 14名の方につきましては対応が必要となりますので,担当のケアマネジャーにおいて在宅サービスを組み合わせたサービス調整を行っております。 そこで,新たな施設の整備についてですが,現在,サービス付き高齢者向け住宅が建設中であるなど,事業者における施設の整備が進められております。利用料についても,市が整備している地域密着型の特別養護老人ホームと変わらない設定の有料老人ホームも増えておりまして,これらの施設の活用等で対応が可能だと判断しております。このため,第7期
介護保険事業計画期間中は新たな施設整備は行わないこととしております。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 国は,介護病床から介護施設へ,介護施設から自宅へ生活を求めております。つまり,住み慣れた地域で暮らし続けることができる支え合いをしておりますが,これは,高齢者の単独世帯や高齢者の2人世帯が増え,老老介護につながるのではないかと思うわけであります。最近,老老介護をされている方を紹介いたしますと,85歳の車椅子の生活をされている妻を,元気だった87歳の夫が介護をされております。この方は,最近奥さんが老健施設から退院をされて自宅に帰られました。そして1か月程度御主人が介護をされて突然脳梗塞で倒れて,左半身が麻痺して寝たきりになっておられます。離れて暮らしておられる娘さんが「元気だった父が寝たきりになり,母より悪くなるとは思っていなかった。」とこのように言っておられますし,今後は2人の介護が必要で大変だと困っておられるわけであります。こうしたことを再び出してはならない,こういう人を出してはならないと思うわけであります。 そこで,最後に市長にお聞きいたします。高齢化が進み,介護を必要とする人は増え,介護保険制度の充実は高齢者や国民の願いでもあります。介護を社会的に支えるという当初の制度の理念に立ち返った取組が必要ではないかと思うわけであります。高齢者のひとり暮らしや高齢者のみの世帯,老老介護が増える中,施設に入れなくて困る人がいないようにしなければなりません。介護を必要とする人に寄り添った対策が必要ではないかと思うわけであります。 第7期
介護保険事業計画での市の取組について,市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。
○議長(
山村保夫君) 市長,元松茂樹君。
◎市長(元松茂樹君) お答えをいたします。 団塊の世代が75歳以上となります2025年には,4人に1人が75歳以上となる超高齢社会を迎えると言われております。医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれており,社会保障制度を維持していくためには多くの課題があるというのが実状でございます。 国におきましては,高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,2025年を目途に,地域包括ケアシステムの構築を目指しているところであります。 本市におきましても,第6期計画期間中に地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組んできたところでございますけれども,まだ十分な体制が構築できているとは言えず,第7期計画においては,このシステムの更なる深化を目指して,自立支援・重度化防止,医療と介護の連携の推進,認知症施策,そして施設・住まい及び介護人材の確保,高齢者の社会参加等の様々な重要課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 また,第7期計画においては,基本理念として「住み慣れた地域で暮らし続けることができる支え合いの心豊かなまちづくり」を掲げております。御指摘がありました老老介護の問題等についても,高齢者のつどいの場の充実等により住民主体での見守り体制を構築して,支援を必要とする方を早期に把握し,公的な支援につなげていくことができるよう努めてまいります。高齢の方々が生きがいを持って,できる限り元気で活躍されるような環境づくりとともに,介護を必要とする人たちには十分支援が行き届くよう,施策の展開に努めていく所存でございます。 介護保険制度の改正につきましては,議員からも常々問題点などを御指摘をいただいているところです。制度が開始された2000年から18年が経過をしました。人口の年齢構成も社会情勢も相当な変化をしております。介護保険制度を維持していくためには,情勢の変化に応じて制度の中身も変えていかざるを得ないというのが実情であると認識しております。 介護保険制度の性質上,基本的には,国が示す方向性を踏まえて施策に取り組んでいくことになりますが,議員から御指摘がありましたように,給付と負担の問題などなど,介護を取り巻く様々な課題が今後も顕在化し,制度の運営に非常に大きな支障が出てくる可能性があります。 そのような場合には,国に対してもしっかり現場の声を届けていくことが重要であると思っております。これまでも県の市長会あるいは全国市長会等で介護保険制度に関する決議や提言を幾度も決定をし,国に要請を行っております。今後もこういった大きな動きがある中でございますのでこういう機会が増えてこようかと思います。なかなか要望しても,簡単にはい,そうですかとはならないんですけども,しかし地域の声としてしっかりと国に伝えていく,これが私たちの使命だと思っております。 以上です。
○議長(
山村保夫君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 再度お願いをいたしますが,自立支援・重度化防止の取組は,介護からの卒業や認定者を減らすことに重点を置かないよう強くお願いをしておきます。 今回は4点について質問をいたしました。提案もしておりますが,できるだけ市政に取り上げていただくようお願いをいたしまして,質問を終わります。 ありがとうございました。
○議長(
山村保夫君) 16番,村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) こんにちは。宇土、みらいの村田でございます。定例会の最終日の最後ということで,
一般質問の最後ということで大変皆さんお疲れでありますけども,今しばらくお願いをいたします。 今回質問いたします内容は,
地域農業再生について。国内外で揺れ動く農業情勢をどう捉えておられるのか。またその課題について,今取り組んでおられる政策についてお伺いをいたします。2点目が農畜産物の自由化に伴い,安い農産物の輸入量が急増をいたしております。国内においては,産地間競争が激化をしております。この産地間競争に打ち勝つための方策についてお聞きをいたします。3点目が,住みよさ
ランキング評価から見る今後の重点政策についてお伺いをいたします。 執行部におかれては,簡潔明瞭に御答弁を賜りますようにお願いを申し上げ質問席に着きます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) 一番初めに,先ほど言いましたように国内外で揺れ動く農業情勢をどう捉えておられるのか,またその所見。それと今経済部で取り組んでおられます政策について,併せて御答弁を賜りたいと思います。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 最初に国内外の農業情勢についてお答えいたします。 初めに,米政策につきましては,平成29年度で米の直接支払交付金が廃止され,平成30年度からは国による生産数量目標の配分がなくなり,地域で自主的に作付できる仕組みとなります。熊本県では,昨年末に県農業再生協議会で,各地域協議会の「作付目安」が決定されたところでございます。本市では,この「作付目安」を参考に宇土市農業再生協議会において,水田フル活用ビジョンに基づいて作付けを決めることになります。ただ,このように需要予測は示されているものの強制力はなく,生産者には需給バランスが崩れることへの不安が出てくると考えられます。 次に,国際的な情勢としまして,アメリカが離脱を表明し難航していましたTPPにつきましては,アメリカを除く11か国による最終合意がなされ,3月8日にチリで署名式を行う予定となっております。また,日EU・EPAについても昨年7月に大枠合意し,詰めの協議が行われておりましたが,昨年12月に妥結させることで合意に達しております。政府は,TPP11及び日EU・EPAの経済効果としてGDP,国内総生産の押し上げ額を,TPP11が約8兆円,日EU・EPAが約5兆円と分析しております。ただ,農林水産物の生産額への影響も試算しており,TPP11における農林水産物の生産減少額は約900億円から1,500億円,日EU・EPAにおける農林水産物の生産減少額は約600億円から1,100億円と試算されておりまして,特に牛肉,豚肉,牛乳・乳製品への影響が懸念されています。 このほか,農業行政におきましては,様々な問題が山積みになっています。特に,農業の担い手の高齢化や減少の問題があります。農業センサスによりますと全国の販売農家数は,平成12年で233万戸であったのが,平成27年では133万戸に減少しております。宇土市の販売農家数も,平成12年では1,292戸であったのが,平成27年では767戸に減少しております。また,それに伴う問題として耕作放棄地の増加が問題となっております。全国の耕作放棄地は,平成2年の21万ヘクタールから平成27年では42万ヘクタールと約2倍に増加しております。宇土市でも平成27年の農業センサスでは280ヘクタールが耕作放棄地となっております。 このような問題を解決するため,国は担い手への農地集積を加速化させ,平成35年度までに農地集積率を8割に引き上げる目標を掲げ,農業の競争力強化を図っております。平成28年度末の農地集積率は,全国平均で全農地面積の54%,熊本県の平均は45.2%,宇土市においては38.5%と低い水準になっております。しかし,宇土市では,近年,農事組合法人「走潟」など担い手の法人化も進んでおり,今後の農地集積の促進が期待されるところでございます。このように農業の生産性を高め,競争力を強化するために農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化をさらに推進することが求められております。 続きまして,今取り組んでいる農業政策についてお答えいたします。 宇土市におきましては,農業経営者の経営安定,生産拡大,また,担い手や優良農地の確保などを目的とした様々な政策を実施しております。 まず,農業経営者の経営安定,生産拡大に対する主な政策でございますが,「経営所得安定対策」では,農産物の売上が減少したときにその影響を緩和させる支援を実施しております。また,「農業経営基盤強化資金」では,農地,施設・機械などの取得に必要な資金の長期的な低利融資を実施しており,さらに保証料や利子等に対し支援しております。また,「経営体育成支援事業」,「担い手確保・経営強化支援事業」や,「強い農業づくり交付金」では,農業用施設の整備,農業用機械の導入を支援しております。 次に,担い手や優良農地の確保などに対する主な政策でございます。 「農業次世代人材育成投資資金」では,意欲ある新規就農者の育成に交付金を交付しております。「荒廃農地等利活用促進交付金」では,耕作放棄地の解消,また,その後の営農に係る経費について支援しております。「機構集積協力金」,「農地集積加速化事業」では,地域の担い手への農地集積に対し,補助金や交付金を交付しております。また,「担い手育成総合支援事業」や,「認定農業者協議会」,「農業後継者育成対策協議会」などの各種農業者協議会におきましては,農業者の成長や切磋琢磨の場を提供し,農業者の育成対策に寄与しております。また,「地域営農組織法人化推進事業」では,地域の営農組織が法人化する際の経費や,法人化間もない法人の経営経費等に対し支援しております。 さらに,平成28年熊本地震や,台風,大雪等の各種災害における政策としまして,被災農業者向けの復興・復旧に係る支援を実施しております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) ただいまの答弁は大体私の認識と変わらないわけですけども,早晩,早かれ遅かれ自由化の波が押し寄せてまいりますことが一つ。それと今取り組んでおられる政策について答弁があったわけですけれども,担い手を中心にいろいろな補助金は活用されてはおる。それと貸し借りについても補助金,交付金が出るというのが中心的であったろうと思います。冒頭申し上げましたように,産地間競争が今後非常に激しくなってくると思います。それに関して,産地間競争に打ち勝つための宇土市独自の政策が今求められているというふうに思っております。そういうことで,後でいろいろ申し上げますけども,是非,産地間競争に打ち勝つための宇土市の独自支援策について考えていただきたいというふうに思います。 それと米についてですけれども,減反政策が廃止され,反当たり7,500円の補助金が無くなります。今,熊日新聞なり農業新聞等でいろいろ農業情勢の報道があっておりますけれども,今後はやっぱり自主減反でありますので,東北をはじめ銘柄のいい産地につきましては,面積が拡大するだろうなと思います。今日の熊日新聞にも若干載っておったというふうに思います。我々宇土市の米は,全国の評価からいきますと,大きい声では言えませんけども,相当食味等が落ちるというふうに聞いてます。熊本県では七城町がランク別で特Aのランクを受けて米の評価をいただいております。この七城町については以前から堆肥の散布をされて水田の活力を満たされております。私が経済連におった頃ですので,もう二十年近くなろうかと思いますけども,地道な努力をされた結果が,今七城米の評価が高いということでもあります。それともう一つは国の検査体制ですが,2020年度までには変わるというふうに農水省が考えております。これは検査規格の規定で定められております外観検査に重きをおいて,現在は1等米2等米の検査であり,米価もそれによって決まっておるかと思いますが,その外観検査を廃止し,今後は品位判定に新たな方向に移るということであります。すなわち機器による計測に移行し,品質と食味のいい米を重視する検査体制にもなります。全くいい米をつくらなければ,なかなか米価は厳しいという理屈になってまいりますことを申し添えておきます。 次に質問ですけども,担い手の農地集積をどう捉えているのかと低コスト対策について現在どう取り組んでおられるか,併せて答弁を賜りたいと思います。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 最初に,担い手への農地集積の意味についてお答えいたします。 先ほども答弁いたしましたように,農業の喫緊の課題としまして,農業者の高齢化や後継者不足による担い手不足,また,それに伴う耕作放棄地の増加等が挙げられます。今後,高齢農業者のリタイアや転職による離農等により,耕作されない農地が増えてまいります。それら諸問題の対策として国が推奨しているのが,担い手への農地集積でございます。 農地集積とは,特定の農業経営者へ農地の利用権又は所有権を集めることでございます。 宇土市におきましては,地域の人と農地の問題を一体的に解決していくために,集落や地域における徹底的かつ継続的な話合いを通じて,地域農業を担う経営体や農地利用の将来像等を示した人・農地プランを作成し,定期的に見直しを実施しております。 人・農地プランに位置づけられた,地域の中心となる農業の担い手である認定農業者や農事組合法人に対し農地集積・集約化を加速し,さらに,規模拡大に併せて法人化する農業者や,今後,法人化を予定している集落営農など,農業の中心経営体を目指す農業者への農地集積が重要でございます。 続きまして,低コスト対策に対する取組についてお答えいたします。 低コスト対策は,農業経営の安定を図る上で重要な対策でございます。先ほど答弁いたしました,担い手への農地集積も,重要な低コスト対策の一つでございます。 低コスト対策は主に2種類に分けることができます。まず,経営面積の拡大により生産性の向上を図り,特に生産費の割合を抑えて低コスト化する方法でございます。農地集積による低コスト対策がこれになります。 次に,新しい栽培方法,直播・疎植などの新技術を導入することにより,作業効率を高め労働費を削減し,また,高性能機械等を導入することにより低コスト化する方法でございます。先ほど答弁いたしました農事組合法人「走潟」では,新しい栽培方法の取組や,機械の導入,また,農地集積を実践するなど,様々な低コスト対策に取り組んでおられます。 また,JA熊本うきや管内市町,熊本県によります,JA熊本うき産業用無人ヘリ利用推進協議会におきましては,水稲や麦などの土地利用型作物について,無人ヘリによる薬剤散布を実施しております。これは,少量の薬剤を広範囲に均一散布することと,少人数での作業が可能であることから,有用な低コスト対策でございます。 このように,これらの対策を活用することにより,低コスト対策に取り組んでおります。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) 今の答弁で大体分かりましたけれども,行政用語ばかりずらっと並べて答弁されましたので,分かりづらかったというふうに思いますが,具体的に申し上げますと,全国の平均の生産費をみますと,全算入の生産費これは平成16年産ですけども,60キロ当たり1万4,580円であります。その中で,肥料代が7%,農薬代が6%,農機具費が18%,労働費が27%を占めております。合わせますとこれは大体五十五,六%になろうかというふうに思っております。そういう中で,農地集積が必要ということは大体15ヘクタール以上あれば農地集積のメリットが出るというふうに言われております。今申し上げました生産費の中で,特に削減できるのが,農業機械の費用であります。平均は大体2,874円に対し,10ヘクタール以上は2,139円ということで,735円削減ができる。それと労働費については3,886円が2,390円ということで,1,490円,1,500円程度コストメリットが出るという試算をいたしております。政府は担い手に対し,農地集積をする補助政策をとっておるのは,そこらあたりが根拠といいますか理由になっておるわけであります。今後とも農地集積については,農業委員会と経済部と農協等で意見をする必要がありますので,後でいろいろ御注文を申し上げたいというふうに思っております。 そういうことで,次にまいります。 良質な農作物づくりの考え方について御答弁をいただきたいと思います。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 良質農作物づくりへの考え方についてお答えします。 良質な農作物をつくるには,まず,土づくりが重要であると考えます。良質な堆肥の使用や,土壌分析を活用するなどの科学的な根拠に基づいたバランスの良い土づくりが必要でございます。土の栄養が極端に偏りますと,作物は元気を失い,病気などが発生してしまいます。土壌分析を基にした土づくりは,病気などを抑える農薬や化学肥料の使用を減らすことにもつながります。さらに,その作物ごとの栽培管理や,排水・潅水の水管理を適正に行うことで,安全・安心な良質農作物づくりへと発展していくことになります。 本市としましては,土壌分析つきましては,県事業の「地下水と土を育む農業育成事業」を活用し,土づくりを基本とした適正施肥に必要な土壌診断費用を助成し,化学肥料及び農薬を低減する取組を支援していく考えでございます。また,堆肥の助成につきましては,国,県の補助事業等がございませんので,宇土市農業再生協議会で堆肥助成による良質な戦略作物の生産振興について検討してまいります。 次に,生産工程の見直しが重要であると考えます。近年,取組が重要視されております「GAP」を活用するなどして,より丁寧な生産工程を管理する必要がございます。この「GAP」とは,生産者が農作物の安全性や品質に悪い影響を及ぼす可能性を未然に防止するため,農作業を行う上での点検項目を定め,それを実践し記録する取組でございます。「GAP」を活用することにより,安心な良質農作物づくりへと発展していきます。 以上のような取組が,安全・安心な良質農作物づくりにつながるものと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) 答弁ありがとうございました。 土づくりについては全く同感でございますので,県の補助事業を活用し,平成30年度から是非取り入れをしていただきたい。それと土壌分析については,農協がやっておりますので,農協との連携ですね。農協も確か県の堆肥補助事業については,農協を事業主体として手を挙げるなら対象になるというふうに調べてみましたらそういうことになっておりますので,農協と十分打ち合わせをされてどっちでもいいですから,なんさまやってもらって土壌について2分の1補助事業でありますので,是非お願いを申し上げます。一筆2,600円ですから1,300円の補助ということになろうかと思います。 それと堆肥ですが,先ほどから言いよるように,いい農産物をつくるためには基本的には堆肥を投与することがもっとも重要であるというふうに思います。前市長の田口市長,確か平成10年から平成14年までだったと思いますが,堆肥助成をした記憶がございます。そういうことで,あれから15年以上経つわけでございますので,その当時の農業環境と今の農業環境とは比べものにならないほど厳しい環境であります。したがって,何回も繰り返しますが,いい米をつくらなきゃ売れない,いい施設園芸の作物のトマトにしろメロンにしろイチゴにしろ,ミカンもそうでしょうけども,いいものを作らなければなかなか販売も難しくなる時代になってくるかと思います。先ほどTPPの報告があっておりましたし,EPAの話も出ておりましたが,昨日の熊日新聞の報道だったと思います。見られたと思いますが,国が熊本県に対する影響額について発表しておりました金額と熊本県独自ではじき出した金額は,熊本県がはじき出した金額が多かったということであります。国が過小影響額を算出しておったかなというに私は感じております。国会の中でもいろいろ野党の皆さんからそういう追及はされております。それはそれとして,農業県熊本からいえば,そういうことを熊本県は発表したわけですので,より厳しさが増すということになろうかというふうに思います。田口市長が堆肥の助成を4か年されておりますので,元松市長2期目。3期目も当選されると思いますので,是非,平成30年度6月補正で堆肥の助成についても,田口市長がされておりました助成金相当を是非組み立てていただきますようにお願いを申し上げておきます。金額はそう大したものではなかったと思います。200万円か300万円だったと思いますけども,御検討を賜りたいと思います。 次にまいります。 水田フル活用の意味と新規作物の導入について,経済部長の答弁をいただきたい。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) 最初に,水田フル活用の意味についてお答えします。 水田フル活用とは,水田を有効に活用し,食料自給率の向上を図る取組でありまして,農林水産省が平成21年度から実施している米政策でございます。生産調整,いわゆる「減反」により米作を行っていない水田を利用して,大豆・麦・飼料作物等の転作作物や,主食用以外の新規需要米である米粉用米・飼料用米等の生産を行い,農家に水田を活用してもらいながら主食用の米の需給調整を行う政策でございます。 また,先ほど答弁いたしましたように,平成29年度までは生産調整を実施する農業者に対して,米の直接支払交付金が支給されておりましたが,平成30年度からは米の生産数量目標の配分廃止とともに,米の直接支払交付金も廃止となっております。 宇土市農業再生協議会におきましては,地域の特色ある産地づくりに向けた取組を地域自らが主体的に展開・推進していくための地域農業の設計図となる「水田フル活用ビジョン」を作成しております。地域の水田における作物,麦・飼料用米・WCS用稲・加工用米・玉ねぎなどの野菜・花きごとの取組方針・作付予定面積,産地交付金の活用方法等を明らかにし,地域で共有することで,地域の特色ある産地づくりに向けた取組をさらに推進することを目的としています。 今後は,水田フル活用ビジョンに基づき,生産数量目標に替わって作付目安が示されることになります。また,水田の耕地利用率を高めるための政策としまして,麦,大豆,WCS,飼料用米,加工用米などを転作作物として広く普及を図ることが重要でございます。 次に,新規作物の導入の考え方についてお答えいたします。 現在,宇土市におきましては,株式会社東洋新薬と一部の農業者におきまして,「青汁」の原料となる「大麦若葉」の試験栽培を実施しております。米の直接支払交付金が廃止される中,麦等への交付金も先行き不透明であるため,交付金に頼らない安定した所得を実現するための新規作物の試験栽培でございます。 宇土市としましても,今後は試験栽培の結果を踏まえ,安定生産,また,生産拡大に向け,農業者と一体的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。
◆16番(村田宣雄君) 水田フル活用の意味といいますか必要性ですけども,全く今言われたとおりだと思います。一言いいますと,基幹作物の米とどういう作物を組み合わせたらいいのかであり,組み合わせることによって耕地利用率が高まり,生産性も上がり,農家所得の拡大につながるということであります。宇土市の耕地利用率は93%か94%だったというふうに思います。非常に産地化といいますか,麦・大豆がほとんど私から言えば皆無の状況でありますので,他の転作作物を米とどういうふうに組み合わせたらいいのか,そこらあたりは再生協議会の中で十分議論をしていただいて取り組んでいただきたい。先ほど言われました「大麦若葉」,これも水田の一つのいい作物だというふうに私は思います。したがってそういうのがベースに拡大ができれば,一つの水田の転作作物としての位置づけを再生協議会で議論をしていただきたいと思います。これ確か今試験栽培されとった下松山だろ。紹介したのは私でありますので,その辺の「大麦若葉」については十分理解をいたしております。そういうことで,薬用作物の話も今定例会で質問があっておりますが,やっぱりそういう漢方薬メーカーと宇土市農業の新規作物の導入について,行政として事前に経済部長が筆頭になって事前打ち合わせをされ,どういう作物が宇土市に適するかということもメーカーの意見を聞きながら取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。 次に,農業委員会とJAと行政とどういう連携をとっておられるかについて御答弁をいただきたいと思います。
○議長(
山村保夫君) 経済部長,小山亨君。
◎経済部長(小山亨君) JA,農業委員会等々との連携についてお答えいたします。 まず,JAとの連携でございますが,先ほど答弁いたしました土壌分析につきましては,JAでも実施しております。さらに「GAP」についての指導につきましてもJAが担っておられ,また,先ほどの「水田フル活用ビジョン」を作成しております宇土市農業再生協議会におきましては,事務局,委員共にJAに参加していただいており,JAと宇土市との連携は欠かせないものとなっております。 次に,農業委員会との連携でございますが,先ほど答弁いたしました担い手への農地集積におきましては,農業委員会との連携は欠かせないものとなっております。国が推進しております農地集積に関する政策として,農地中間管理事業がございます。県の機関であります農地中間管理機構を利用した農地の賃貸借につきましては,農業委員会が窓口となっており,農地の貸し手と借り手のマッチングから書類作成までの一連の事務を支援しておられます。作成された書類等は,農業委員会から宇土市へ提出され,宇土市から農地中間管理機構に送付することとなっております。また,それに基づく機構集積協力金の交付手続きに関しましても,農業委員会と宇土市の連携において実施されているところでございます。 宇土市におきましては,今後もJA,農業委員会と連携し,宇土市の農業の発展のため,農業情勢を捉えつつ,様々な政策に取り組み,農業生産者に寄り添った支援を実施してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○議長(
山村保夫君) 村田宣雄君。